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排卵誘発剤は効果アリ!?メリットとデメリットまとめ

公開日: : 最終更新日:2016/10/10 不妊全般 , , , , ,

タイミング法で妊娠に至らないと、排卵誘発剤による診療に進みます。

35歳以上の女性などの女性や、不妊原因によっては、このステップをスキップしてステップアップ治療の先の治療にいきなり進む可能性はあります。不妊治療は、複雑な専門用語などのわからないことも多く、お金や肉体的、精神的にも重い負担が大きいので、都度、担当医と相談をしながら治療を進めることが重要です。

排卵誘発剤についても、メリット、デメリットはありますので、それを理解して、担当医とご相談をしてください。

 

排卵誘発剤による妊娠率とは

排卵誘発剤は、後述しますが、複数の種類があります。

しかし、排卵を誘発するために、複数の卵子の排卵を誘発する可能性が高まります。その為、多胎妊娠(双子など)の確率を高めます。妊娠出来る卵子を排出する可能性が高まり、結果として妊娠をする可能性が高めることになります。妊娠出来る卵子が複数個排卵されるわけですから、妊娠率は倍増すると言われています。

また、当然のことながら、無排卵周期症など排卵しない方の妊娠率も引き上げると言われています。この排卵誘発剤は、タイミング法と併用するとされています。妊娠出来る良質な卵子を排出しにくい方が、排卵誘発剤の力で排卵出来るようになるために、健康な方と同水準の妊娠率である20~40%の妊娠が期待出来ると言われています。

また、飲み薬は保険が適用されるため、費用面では実施のしやすい治療法になります。

※飲み薬で効果がない場合には、注射になります。その場合は保険が適用されない場合があるそうです。飲み薬、注射を問わず、費用の確認を受診前にすることをオススメ致します。

 

排卵誘発剤とは?注射で不妊治療をするの?費用や種類、妊娠率は?

クロミッドに適した不妊症の方に対して投与したときの妊娠率は約25~30%です。これは自然妊娠と同じくらいの妊娠率といえます。排卵の成功率は第1度無月経の方で約7割、無排卵周期症の方では約9割とかなりの高確率です。

ゴナドトロピン療法の場合、排卵率は70~80%,妊娠率は30%前後ですが、基本的にクロミッドで効果が出なかった無排卵周期症の方などを対象にするため、妊娠率は高くなっているといえます。妊娠率はあくまで参考ですが、医師と相談しながら症状に合った治療法を選びましょう。

クロミッド(排卵誘発剤)を使用したら妊娠率はどれくらいあがるの?確率と効果と注意点まとめ

クロミッド(クロミフェン)は排卵誘発剤の一つで、排卵を促すホルモンの分泌を促進させることで排卵しない人の妊娠率をアップします。クロミッドを使えば、妊娠率は10~30%高くなると言われています。 排卵しない人に排卵を促す働きがあるからです。 また複数個の卵子を排卵させる事によって、妊娠率を上げるのです。

■排卵誘発剤とは

排卵誘発剤は、薬で卵巣を刺激することで、成熟した卵胞の数を増やし、妊娠につながりやすい良質な卵子を育てる事と、排卵する力が足りない方のサポートをするのが目的です。その為、無月経の方や、排卵障害、生理不順の治療に用いられます。

また、良質な卵子を効率的に採取する目的で、人工授精や体外受精などにも使用されます。

 

■排卵誘発剤の副作用やリスクとは

排卵誘発剤は飲み薬(クロミッド=クロミフェン、テルグリド))と注射(hCG注射、hMG注射)があります。飲み薬は効果も副作用も弱く、注射は効果も副作用も強いと言われています。胎児へのリスクは、自然妊娠と同レベルということで、ほとんど影響がないと言われています。

▼多胎妊娠

双子や三つ子以上の、複数の胎児の妊娠する可能性を高めます。

繰り返しになりますが、排卵誘発剤は、妊娠できる卵子を複数排卵する可能性を高める薬です。

通常の排卵では、基本的には1つの卵子しか排卵しません。その為、妊娠する胎児も1人になります。排卵誘発剤を使うことで、2つ以上の排卵が起きることで、多胎の可能性を高めます。何もしない状態での妊娠で多胎妊娠をする可能性は1%に対し、飲み薬の排卵誘発剤で4~5%、注射の場合は20%の妊娠率と言われています。

 

▼卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

 

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは、両方の卵巣が腫れ、全身の水分が卵巣から染み出す事で、お腹の中に水が溜まってしまう症状です。

排卵誘発剤の利用が増え、現在では重症になるという例は減っているそうですが、排卵誘発剤の注射(hCG注射、hMG注射)にはリスクがあるそうです。また副作用の弱い飲み薬(クロミッド=クロミフェン、テルグリド)では、ほとんど報告されていないそうです。

体の水分がお腹に集まってしまうため、血管は脱水状態になるため、ドロドロ血につながります。このドロドロ血の状態になると、血管の中に障害が出来る血栓症につながり、この症状が脳の中で起きると脳梗塞など、命にかかわる病気になる可能性が出てきます。このドロドロ血の状態で妊娠をすると、さらに血栓症悪化する為、非常に危険な状態になります。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の場合、体重が急に増えることがありそうです。排卵誘発剤の注射後に、体重が急に増えた場合は、担当医と相談をする事をオススメ致します。

▼流産のリスクが高まる

飲み薬であるクロミッドには、子宮内膜が薄くなるといった副作用が報告されています。クロミッドの
使用期間が長くなるにつれてさらにこうした副作用の発生頻度も高くなってしまうようです。

妊娠とは、受精卵は子宮内膜に潜り込み着床した状態です。子宮内膜が薄くなった場合には、受精卵が十分に着床できないため、流産につながりやすいといわれています。

▼その他

更年期障害に近い症状が出たり、目がチカチカするなどの副作用なども報告されています。

 

 

■排卵誘発剤の種類

薬は、担当医とよく相談の上、服用ください。

◆飲み薬

▼クロミッド(クロミフェン)

クロミッドやクロミフェンと呼ばれる飲み薬です。排卵誘発剤の中で、最もポピュラーな薬です。
排卵をしないという状態である無排卵や無月経の治療から、子宮内膜を十分に成形出来ない黄体機能不全、排卵数を増やすという効果が期待出来る非常に万能な薬です。
万能さゆえに、服用の仕方についても他の排卵誘発剤と併用するなど、様々な使われ方がしています。

▼テルグリド

クロミッドと同様に排卵を促進するための飲み薬ですが、クロミッドよりも効果が弱く、副作用も弱いタイプの薬になります。クロミッドの副作用が強すぎる場合などに使われます。
また、排卵障害の改善などに効果があります。

◆注射

hMG注射やhCG注射は一週間ほど継続する必要があるので、1週間連続して通院する必要があります。

▼hMG注射

hMG注射は、飲み薬であるクロミッドより強力な排卵誘発剤です。
メリットも大きい反面、デメリットも大きいです。

メリットとしては、卵子の元となる卵胞を複数育てる効果があります。その結果、妊娠できる卵子が複数育ちます。卵子が複数排卵される事になり、双子以上の多胎妊娠の可能性を大きく高めます。多胎妊娠の可能性が20%とも言われています。
一方で、hMG注射単体で使用されることもありますが、クロミッドの効果をより高める目的で、補助的に使われることもあります。
▼hCG注射

排卵を促す作用のある注射です。クロミッドやhMGで卵胞を成長させたのちに、hCGを注射することで排卵させます。

複数の卵胞が成熟しているときにhCG注射を使用すると、卵巣過剰刺激症候群となることがあるために慎重に使用する必要があります。複数の卵胞が成熟しているときにhCG注射を使用することで、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)となることがあります。注射は、基本的には1週間継続して行われますが、卵巣が腫れた場合には、注射を途中で辞めるということになります。

 

排卵誘発剤はタイミング法と異なり、メリットだけではなく、デメリットもあるものなので、不妊クリニックや病院の担当医と相談の上、用法や用法を守って活用してください。

 

◆ステップアップ法関連のエントリー

【はじめての不妊治療】不妊クリニックに行く前に!受診前に知っておきたい知識

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